2012年8月29日水曜日

クロスオーバーするアンビエント・ワールド その2


上記の写真は左上;Ango  右上;JMSN   左下;Jhene Aiko   右下;Nylo
どれもお気に入りのアンビエントR&Bシンガー。過去にこちらこちらで少し紹介しているのでよかったら。


ご存知の方が多いと思うが、R.Kellyが1stアルバムをプロデュースし、その後も関係があったとされ、後にTimbalandとコンビを組み、90年代に大活躍したR&BシンガーAaliyah(アリーヤ)。2001年サード・アルバム『アリーヤ』が発表され、映画『マトリックス』の出演も決定するなど、人気が絶頂に達していた同年8月25日、『Rock The Boat』のPV撮影を終え、バハマ北部にあるマーシュハーバー空港から搭乗したフロリダへ向かうセスナが離陸直後墜落、死去した。享年22歳。

現在のアンビエントR&Bの流れの元、というか話の落し先をAaliyah(アリーヤ)に持ってきたsummerbreeze1さんはもちろんさすがだし、物議を醸したドレイクとのコラボや先日の11周忌も重なりちょうど良い。
”シンセやリヴァーブの神秘的な音色を通して、彼岸と此岸をつなぎ、彼女を蘇らせようとする試みなのかもしれない。”
素晴らしい考察。まさにそうだと思う。
アンビエントR&Bの決定版とも言える素晴らしいドレイクとのコラボ曲と命日にちなんで数々のRemixが発表されているのでここで少し紹介。Aaliyah ft.Drake "Enough Said" の歌詞対訳はこちら
ご冥福をお祈り致します。

















もう少しだけアンビエントR&Bの話をしてR&Bではなくアンビエント側の話に入っていこうと思う。



ロサンゼルス出身の現在19歳のシンガー、Tinashe
元々アメリカのポップアイドルグループ、The STUNNERSのリードシンガーとして2007年から活躍していたのだが2011年からはソロとしての活動を始める。その後YOUTUBEにてThe Fugeesの"Killing Me Softly"をアカペラでカバーしたり、Lil' Wayneの"How To Love"やRihannaの"We Found Love"をカバーしているメインストリームのど真ん中のアーティストのはずなのだが今年2月に発表したMIXTAPE『In Case We Die』が思いのほかアンビエントな楽曲が中心のMIXTAPEで驚いた。所々メインストリームの風潮を感じさせる部分もあり今後の作品(特に正規盤)は思いっきり変わってしまう可能性もあるがとりあえずもう間もなくリリースされるだろうMIXTAPEから1曲"Stargazing"が公開され、それを聴く限りではさらに艶美なアンビエントR&B作品が期待出来る。MIXTAPE内の曲、"Boss"のREMIXではHoney Cocaineが参加しているものやRyan Hemsworthによるもの(DLリンク有り)もある。日本のChopped & Screwed Remixer、sugarkaneによるRemixも秀逸。













オーストラリア、メルボルン出身の現在22歳(本当か?)のCHET FAKER(チェット・フェイカー)
彼はスモーキー·ロビンソン、アレサ·フランクリン、テンプテーションズなどと言った往年のソウルシンガーから影響を受けていると公言している。そしてこの作品はこれまでとは少し毛色の違うアンビエント作品なのだがそれもそのはず、最近で言うとジェイムス・ブレイクボン・イヴェールからも影響を受けているシンガーだからだ。(この二人のアーティストはアンビエントを語る上でも必要不可欠な人物だが有名すぎるのでこれも省略。何度も言うが詳しくはこちらで)
歌心のある声と生音を交えた気だるいアンビエントなベッドタイムミュージックを鳴らしている。ド直球なアンビエントR&Bではないが、この二人のアーティストから影響を受けたシンガーのデビューアルバム(EP)『Thinking In Textures』も紹介しておく。





現在はロサンゼルスを拠点に活動するアリゾナ州フェニックス出身のCalvin MarkusとTravis Bunnの二人組から成るDead Times
如何せん情報が少なく、これが1st EPなのかわからないが、ダークな世界観を見事に映し出したアンビエントな作品『Dead Times』は秀逸で素晴らしい。最近新曲も公開され、今後の活動も多いに期待できる。








チェット・フェイカー同様、彼もJAMES BLAKEから影響を受けたであろうカナダ出身の18歳、Black Atlass(ブラック・アトラス)ことプロデューサー&ソングライターのAlex Fleming(アレックス・フレミング) 18歳とは思えないソウルフルな歌声と独自のR&B世界、オルタナティブな感覚をミックスしたサウンドは最高にシビれる。Clams CasinoやThe Weekndにも通じるアンビエントな艶美な世界を映し出した1st EP『The Black Atlass EP』は聴いておいて損はないだろう。





ロサンゼルス出身のプロデューサー、NOVELとも関わりがあるジョージア州アトランタ出身のMUZI
2011年7月に1st MIXTAPE『Somnolence』をリリースし、つい先月2nd MIXTAPE『Somnolence Vol. II』をリリースしたR&Bシンガー。歌がうまく、R&BらしいR&Bシンガーだ。メインストリームでいち早くアンビエントな作品を出したTrey Songzに近いかもしれない。加えてアンビエントからダブステップまで自身のものに消化できてしまうクロスオーバーな音楽性を持っている彼はR&B版Airplane Boysと言っても良い。





ニューヨークを拠点に活動するナイジェリア出身のI/O (Ayo Olatunji)
1年前にMIXTAPE『8 Bit Love』でデビューしたプログレッシブR&Bシンガーだ。いきなりプログレッシブR&Bってなんだ?って思う方もいるのではとも思うのだが、いずれこのジャンルにも触れようとは思う。今は軽く触って次に行く。
一口では語れないのだが実験的という意味を持ち、簡単に言うとエレキギターのエモーショナルな超絶プレイが聴かれることが多い。これはプログレッシブ・ロックに多い事例だが、R&B的視点からみると有名なところではMiguelの"...All"などはプログレッシブR&Bだろう。
彼のヴォーカルにリヴァーブを効かせプログレッシブな(実験的な)サウンドを施した素晴らしいMIXTAPE『Isolation』は今回のアンビエントR&Bにも通じるものもあったのでここで紹介しておく。"Wasted My Time"やMIXTAPEには入っていないが最近出した新曲、"You slay me"など絶品。






R&Bの話が長くなった。次こそは。。。
つづく

0 件のコメント:

コメントを投稿